標準の承認フローに対して、承認階層(ステータス)を追加できます。承認階層を追加するには、ステータスの追加、ワークフロールールの無効化・有効化などが必要です。
インシデント管理を例に、標準のオブジェクトの承認フローに、承認階層を追加する操作について説明します。
インシデント管理の標準の承認フロー
インシデント管理の標準の承認フローを以下に示します。
インシデント管理の標準の承認フローでは、主に、以下のワークフロールールが有効になっています。
項番 | ワークフロールール | 説明 |
---|---|---|
(1) | 新規登録 | レコードの新規登録時に承認ルートを設定するワークフロールールです。 |
(2) | 開始_実施中から調査_実施中 | [開始/実施中]から[調査/実施中]に遷移させるワークフロールールです。 |
(3) | 調査_実施中から対策_実施中 | [調査/実施中]から[対策/実施中]に遷移させるワークフロールールです。 |
(4) | 対策_実施中から対策_確認待ち | [対策/実施中]から[対策/確認待ち]に遷移させるワークフロールールです。 |
(5) | 対策_承認者設定 | ステータス[対策]で、承認者を設定するワークフロールールです。 |
(6) | 対策_確認待ちから対策_実施中 | [対策/確認待ち]から[対策/実施中]に遷移させるワークフロールールです。 |
(7) | 対策_確認待ちから完了_― | [対策/確認待ち]から[完了]に遷移させるワークフロールールです。 |
その他 | 顧客へのメール_開始 | 顧客にメールで通知するワークフロールールです。 |
承認階層追加後のインシデント管理の承認フロー
インシデント管理の承認フローに、承認処理を行う[役員承認]のステータスを追加する場合の変更前と変更後の承認フローを以下に示します。
上記の承認フローの変更を行うには、以下の設定が必要です。
1.承認階層のステータスの追加
追加する承認階層を、該当のオブジェクトの選択リストの値として登録します。
上記の場合は、インシデント管理の選択リストの値として、[役員承認]を追加します。
2.既存のワークフロールールの無効化
既存のワークフロールールのうち、変更後の承認フローでは使用しないワークフロールールを無効化します。
上記の場合は、変更前の(7)のワークフロールール「対策_確認待ちから対策_実施中」を無効化します。
3.ワークフロールールの追加
承認フローに、ステータスの遷移や承認処理などのワークフロールールを追加します。
上記の場合は、以下のワークフロールールを追加します。
項番 | ワークフロールール | ワークフロールール名(例) | 説明 |
---|---|---|---|
(8) | 追加ステータスへ遷移するワークフロールール | 対策_確認待ちから役員承認 | ステータス[対策/確認待ち]から、追加ステータス[役員承認/確認待ち]へ遷移させるワークフロールールです。 |
(9) | 追加ステータスで承認者を設定するワークフロールール | 役員承認_承認者設定 | 承認処理を行うステータス[役員承認/確認待ち]で、承認者を設定させるワークフロールールです。 |
(10) | 追加ステータスから次のステータスへ遷移するワークフロールール | 役員承認から完了 | 追加ステータス[役員承認/確認待ち] から、次のステータス[完了]へ遷移させるワークフロールールです。 |
4.ステータスの追加に合わせたページレイアウト、表示ラベルの変更
ページレイアウトに承認者の指定欄を追加し、追加したステータスに合わせて表示項目のラベルを変更します。
上記の場合は、インシデント管理のページレイアウトにカスタマイズ項目[承認者2]を追加し、[承認者2]の表示ラベルを[役員承認者]などに変更します。
5.メール通知のワークフロールールの無効化
インシデント管理の承認フローなど、メール通知が発生する承認フローを変更する場合、変更者が意図しないタイミングでメール通知が発行されてしまう可能性があるため、以下のワークフロールールを無効化します。
・[顧客へのメール_開始]
・[顧客へのメール_完了]
・[顧客へのメール_対策]
・[顧客へのメール_調査]
注意事項
ワークフロールールを修正する際、既存のワークフローを修正してしまうと元の状態に戻せなくなる可能性があります。
そのため、既存のワークフロールールを修正しないで、無効化し、コピー・新規作成してから修正することを推奨します。
<目次>
インシデント管理の承認フロー②